2020年2月11日
多くの企業で実施されているOJT研修ですが、進め方を誤るとその効果を発揮できないので注意が必要です。
ここでは、OJTトレーナーの選出方法やOJT研修のスケジュールの立て方をご紹介します。
OJT研修を行うメリット
OJTはOn the Job Trainingの略称で、実務を通じて研修を行い、技術や知識を習得する教育方法で、次のようなメリットがあります。
特別な費用がかからない
社内研修であるために、研修費用がかかりません。また、研修用の場所を確保する必要もなく、勤務時間内に実施できるので、経済的な負担はありません。
研修そのものが実務に直結する
実務に必要なことを必要なだけ学ぶことができるので、即実践することができます。
新入社員を中心とした研修が行える
新入社員の理解度や業務スピードに応じた研修ができるために、無理が生じません。
研修を通じて意思の疎通が図れる
トレーナーと新入社員とのコミュニケーションが円滑になることで、新入社員の孤立化を防いだり、信頼関係の構築に役立ったりします。
OJTトレーナーの選び方
新入社員のOJTを受け持つトレーナーは、多くの場合、部署内の責任者が選任することになりますが、どのような人物を選べばいいのでしょうか。OJTを進めるためには新入社員と同じ業務に就いている人から選ぶことになりますが、他にも次のような人物が適していると考えられます。
新入社員と同世代であること
トレーナーがあまりに年上過ぎてしまうと、コミュニケーションが図りにくくなるので、可能な限り新入社員と同世代である人物。
指導できるだけの技術や知識を持っていること
担当業務に精通しており、なおかつ季節ごとに発生する業務などにも問題なく対応できる人物。
柔軟性に富んだ思考を持っていること
さまざまなタイプの人とうまく接することができ、感情的にならない人物。
ある程度の時間の調整が可能であること
トレーナー自身の業務が過密していると、新入社員に対する指導が疎かになったり相談に応じる時間が限られたりするので、業務や時間の調整が可能である人物。
OJT研修のスケジュールを立てるコツ
OJT研修をスムーズに進めるためには2つのコツがあります。
<OJT研修の事前準備>
OJT研修を進めるためには、まず最初にスケジュールを立てることが大切です。スケジュールは単なる日程ではなく、次のようなことを盛り込む必要があります。
・期間内に習得すべき事柄を整理する
トレーナーにとっては、何を指導すればいいのかという基準になります。
・目標を設定する
期間内にどのレベルまで到達すべきかを示すことで、新入社員のやる気を起こさせます。
<研修期間中に行うこと>
OJT研修では、新入社員はトレーナーから業務内容を見聞きして憶えますが、その後、指導の下で業務を実践します。このときには業務ごとに「PDCA」サイクルを用います。研修スケジュールを立てるときには、実行する時間だけではなく、計画や評価、改善にあたるための時間も確保します。
・「P」
Plan(計画)のことで、一定期間や業務ごとに計画を立てます。
・「D」
Do(実行)のことで、実際に業務を遂行します。
・「C」
Check(評価)のことで、計画通りに業務を進められているか確認します。
・「A」
Action(改善)のことで、計画の見直しを行い、反省点を洗い出します。
OJT研修は新入社員のために行われるものですが、効率的に進めるためには、トレーナーをはじめとした、指導者側のレベルを高めることも大切です。OJT研修の進め方や、トレーナーの育成方法でお悩みの方は、一度当社までご相談ください。