2020年7月2日
サービス実態を顧客目線で調査するミステリーショッパー(覆面調査)ですが、最近では小売店舗のみならず、さまざまな業界で実施されることが多くなりました。今回はミステリーショッパー(覆面調査)を成功させるコツをお伝えします。
ミステリーショッパー(覆面調査)とは?
ミステリーショッパー(覆面調査)とは、お客様に扮した調査員が対象となる店舗や施設を訪問し、チェック項目に従いながら、運営状況を評価するという調査方法のことです。ミステリーショッパー(覆面調査)を使って調査することで、お客様視点からの顧客満足度(CS)や店舗の改善点を知ることが可能になります。 尚、ミステリーショッパー(覆面調査員)がチェックする項目は、目的にもよりますが、ハード面(店頭ディスプレイ、清掃状況、商品陳列他)とソフト面(スタッフの接客、店内の雰囲気)で分けられており、10問から多くて50問程度の項目について実施します。併せて飲食店や宿泊、サービス施設では実際の商品やサービスの消費体験を行います。
ミステリーショッパーを依頼する先を決める時には
ミステリーショッパーの実施時には、調査を受ける会社(クライアント)と、担当する会社(ミステリーショッパー)との間で、事前に調査員の属性、調査項目、評価基準、最終的な分析手法の打ち合わせをするのが一般的です。この時、調査会社を選定する際には、今までに似た業界で実施したミステリーショッパーの調査シートや、評価基準を見せてもらうことです。どのような項目や評価をしているかのイメージが鮮明になります。また、可能な限り、調査員の属性は日頃、自社を利用されている顧客像に近い方がいる会社に依頼します。例えば、ご年配の方をメインターゲットとした高級飲食店で、そういった場所を普段利用しない若い学生が行うのでは正しい評価が出来ません。またその反対もしかりです。学生向けの遊戯施設を年配の方では評価できないでしょう。
最後に、ミステリーショッパーの品質管理体制がどれだけ整っているかを確認してください。もちろん「お客様目線」で調査を行いますが、だからと言って、具体的な評価もできず、感想文のような調査シートが来てしまっては困るはずです。良い悪いといった感想があるならば、その具体的な対象は何か。調査員の提出するシートを、きちんとその会社が品質管理を行っているかは、かならず確認したいところです。
ミステリーショッパー実施前に確認しておくこと
調査会社は打ち合わせの内容を基に、対応できる調査員を選定し、調査シート、その評価基準、分析方法などを作成します。この際、調査会社からクライアントに対して、
「どういう印象やサービスを良いと評価しますか?」
「接客時には○○の対応はOKですか?NGですか?」
といった確認が必ず入ります。
例えば、最近では半セルフのサービスをスタンダードとし、お一人お一人に声をかけないのを良しとする接客もあれば、全員に必ず声をかけるのを良しとする接客もあります。それをどう評価するかを明示しておかなければ、調査員によって評価がわかれるということになってしまうでしょう。ミステリーショッパーの実施は、お客様に自分たちがどういうサービスを提供したい。何を良いサービスだということを明確にするチャンスでもあります。ミステリーショッパーを機に、自分たちのサービスをどうしたいか。お客様にどう見えたいかを確認することが重要です。場合によっては、調査会社(たとえば当社でも)がその基準の明文化からサポートが出来る場合もあります。まだまだイマイチ明確になっていないという場合も、一度相談してみください。尚、マニュアルを改定したから一連のオペレーションを出来ているかを確認してほしいといったミステリーショッパーも可能です。
ミステリーショッパーを行うメリット
様々な基準がクリアになれば、ミステリーショッパーを実行します。そして、調査結果は分析され、レポートにてクライアントに報告をします。
レポートは事実のみ報告するパターンと改善提案も含んで報告するパターンの2種類があります。 このとき、分析されたレポートを活用することができなければ、宝の持ち腐れとなってしまいます。ミステリーショッパーによって浮き彫りとなった店舗や施設の課題点や、お客様目線での改善点は、より良い現場作りに役立てることができます。また、ミステリーショッパーの調査結果から、店舗の良いところや優れているところが見つかることもあるでしょう。そういった評価は、働くスタッフのモチベーションアップにも大いに寄与します。レポートは共有し、かつ先に活かすという視点を常に持つことが必要です。情報をもとに、店舗の良さを活かしながらも、課題点を改善していけば、顧客満足度アップや売上アップにも繋がることが期待できます。ミステリーショッパーは、お客様と店舗やクライアントをより良い関係にするための架け橋であり、重要なマーケティングのひとつと言えるのではないでしょうか。
ミステリーショッパーで浮彫になった課題は、その後どう解決していくかが重要です。そのことから、ミステリーショッパーを使用した後は、調査結果に基づいて研修を行う会社も多くあります。
当社では企業様や店舗様それぞれにカスタマイズしたミステリーショッパーの提案や、調査結果に基づいた課題点の指導教育を行います。現場での活用についてご検討の方は、ぜひ当社までご相談ください。