2020年1月18日
飲食店におけるクレームは年々増加しているといわれ、飲食店スタッフの悩みの種とも言えます。(出典:消費者行動に関する実態調査 2017連合調べ)
飲食店におけるクレームで特に多いのは「待ち時間」に関することや、「異物混入」に関する内容です。
ここでは、このようなクレームが発生した場合の注意点と基本的な対応法についてご紹介します。
「待ち時間が長い」というクレーム
時間の長さの感じ方は、一人ひとり異なりますが、待たされることが好きな人は少ないでしょう。入店してから席につくまでの時間や食事が提供されるまでの時間は気になるものです。
発生したクレームにどう対応するかも大事ですが、そもそも「先を見せる」ことを意識する事で、クレーム発生を未然に防ぐ事ができます。そのため、待ち時間がどれくらいになりそうなのか、お客様に事前に状況をお伝えすることを心がけましょう。
また、飲食店における待ち時間は、単に時間の長さだけではなく、次のようなこともクレームのきっかけとなります。
• 空席があるのに席に案内されない
• ほかのテーブルに比べて、食事が提供されるまでの時間が長い
店側としては、さまざまな理由があるかと思いますが「この店はサービスが悪い」「接客態度が悪い」などと否定的な感情を持たせてしまったことだけでも、謝罪に値することと受け止めた方が良いでしょう。飲食店は食事を提供するだけではなく、それぞれのニーズに沿った快適な空間と時間を提供するものです。オフィス街のランチなら5分でも長い。一方でディナーレストランなら当たり前ということもあります。お客さまの待ち時間が長いというクレームに対して、真摯に受け止め、自店舗のサービスの見直しをすることで「サービス改善」のきっかけにもつながります。
「異物が入っていた」というクレーム
野菜に小さい虫が付いていたり、お皿に髪の毛が入っていたりといった、異物混入のクレームが発生することもあるかと思います。クレームがあったときには、まずは謝罪するようにしましょう。異物混入でやってしまいがちなミスが謝る前の「事実確認」です。
・「それ、どこに入っていたんですか?」と聞いてしまう
・「本当ですか」という視線をおくる
これらの行動はお客様に対し、たいへん悪い印象を与えてしまいます。前述の待ち時間の時と同様に不快感を与えてしまったことに対し、お詫びをする姿勢を示すことが重要です。間違ってもお客さまを疑うようなことは厳禁です。
クレーム対応時の注意点
クレームの対応にあたっては、その時々のケースによって発生原因、お客様がお怒りになっているポイント、解決策が異なります。その為、初動対応から解決まで基本の6ステップを予めホールスタッフ全員で共有しておくことをお勧め致します。
まず、重要なのが初期対応の3点です。(この3点を行わなければ、クレームは更なる不満を呼ぶ可能性もあります)
1、謝罪する(不快な思いをさせてことに対して)例:「ご迷惑をおかけしており、大変申し訳ありません」
2、お客さまの話を聴く
3、お客様の心情によりそう(言葉を発する)
上記の初期対応を丁寧に行ったうえで、次に
4、 事実関係を確認する
5、解決案(代替案)を提示する
6、再度謝罪し、ご指摘いただいた感謝を述べる
この際、お客様にご納得いただけるよう、解決案を提示したからいいだろうという姿勢ではなく、真摯にお客さまと対峙しましょう。また、対応した1人のスタッフだけの問題にするのではなく、スタッフで共有し、クレーム後の時間も(まだお店にそのまま滞在されている場合)全員でお客さまのことを意識していますよという姿勢を示すことが重要です。クレーム対応で最も重要なのはお客さまがお帰りになるときです。クレームが発生時に一生懸命対応し、お詫びをしたとしても、退店時にもう一度お詫びをしてください。一旦怒りを鎮められたお客さまも「なんだ。何もなかったみたいな対応だな!」とクレームし、怒りを再燃することは少なくありません。
スムーズに店内全員で対応するためにも、クレームを受けたスタッフは必ずお客さま対応が終わった後には(それまでの時点で報告していなかった場合も必ず)店舗責任者(店長やホールリーダー)および全員のスタッフに情報を共有しましょう。また、営業終了後には、再発を防止するために起こったシチュエーションを確認し、その後の対応も検討することをおすすめします。
さいごに
クレーム対応はステップを間違えると、店の評判を大きく落としかねません。今は誰もが発信をする時代です。口コミサイトやSNS、個人のブログなどでも書かれることもあるでしょう。しかし、それを怖がってクレーム対応を行うのではなく、店舗でしっかりと行うべき流れを確認し、従業員一人ひとりが、お客様に対峙するようにしましょう。適切なクレーム対応は、時に店の評判を高めるチャンスにもつながります。また、クレームが店舗をよくするきっかけにもなるのです。
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