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意外と知らないおもてなしとサービスの違い

最終更新日:2019年10月24日

(1)「おもてなし」(ホスピタリティ)の語源

近年「サービス産業」に代わって「ホスピタリティ産業」という言葉が使われることが多くなってきましたが、ホスピタリティ“Hospitality”(おもてなし)とは?
オクスフォード辞書によると、「見知らぬ人を客として迎え入れ、歓待すること。特に分け隔てなく、物惜しみしない、親切な歓迎」と解説しています。また日本の英和辞書には「親切にもてなすこと、歓待、厚遇」などと訳されており、広辞苑では「旅行者や客を親切にもてなすこと。歓待・厚遇」と記載されています。

ホスピタリティ“Hospitality”を日本語の一語で表現するのは非常に難しいのですが、接客に特化して訳すならば、最も近い表現は「見返りを求めない親切なおもてなし」です。

ホスピタリティHospitality は、非常に古い言葉で、そのルーツはラテン語のhospes(客人の保護者)で、現代英語に派生した言葉としてhospital(病院)、hotel(ホテル)、Hospice(ホスピス)、hotel(宿泊所)、host(ホスト)、hostess(ホステス)などがあります。

では、「もてなし(持て成し)」の基本的語意は、「教養・性格などによって醸成された態度」「身のこなし、人に対する態度」「振る舞い方・待遇」などです。こうした原意から飲食物を出して客をもてなす意の「饗応」や客への心を尽くしたもてなしを意味し、用意のために走り回ることから「馳走」などの意味も一般化しています。

 

(2)サービスの語源

サービス“Service”の語源は、ラテン語の形容詞servusセルバス(奴隷の、地役権のある人)、名詞のセルバスservusもしくはセルボスservos(奴隷、戦利品として獲得した外国人)で、セルビーレservire(仕える、奴隷になる)に発展し、派生語としてserve(仕える、尽くす)、servant(召使、使用人)、sergeant(軍曹)などがあります。
欧米におけるサービスの意味は、次のように移り変わっています。

・礼拝や祭式など、人が神に仕えるという意味で、宗教上使われていた
・領土・領地を争う時代になり、兵役や軍務につくようになると、人が国家に仕える
・近代から現代ではサービス業と呼ばれる職業の発展と共に、人が人に仕える・給仕する

 

(3)サービスとおもてなし(ホスピタリティ)の違い

では、サービスとおもてなしの違いとは、何でしょうか?
サービスとおもてなし(ホスピタリティ)の概念を図で表すと下記のようになります。

 

サービスの図解

一時的主従関係

お客様の意思が優先され 提供者は一時的従者としての役割を演じる

おもてなしの図解

対等となるにふさわしい相互関係

ゲストとホストが人間の尊厳をもって対等となるにふさわしい相互関係で遇する

 

ホスピタリティでは、もてなす側(ホスト)ともてなされる側(ゲスト)の関係は基本的に対等です。ホスピタリティは、見返りを求めないのが原則です。もちろんサービスを実践するうえで、無償のサービスはないかもしれません。しかし、心の込もっていないマニュアル通りのサービスを行った場合、ゲストからクレームは頂かないかもしれませんが、果たしてゲストに心から喜んで頂けるでしょうか?心のこもっていないマニュアル通りのサービスは、恐らく事務的で冷たい印象を与えるでしょう。ゲストに如何に喜んでいただけるかを考えてサービスを提供する時に発揮される「サービス精神」に、「おもてなしの精神」を盛り込むことで、サービスの品質は無限に素晴らしいものにすることができます。その場その状況に合わせた相手を思いやった親切な言葉遣いや対応でサービスが受け渡しされる場には、「人と人とのふれあい」があります。

サービスの受け渡しがなされるあらゆる場面で、「ホスト」と「ゲスト」の間におもてなしの精神に基づく「心と心の交流」があったとしたら、どんなに素晴らしく、心地よい、素敵な空間となるでしょう。

現代において、おもてなしとはまさにサービスの原点であり、人間社会で大切な「豊かさ」「温かさ」「楽しさ」「明るさ」「和やかさ」「くつろぎ」という環境造りの基本です。

 

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